ピラティスをすると何がいいの?

肩こりの解消

心臓や脊柱、内科系疾患などの病気によって発症している肩こりでない場合、そのすべての原因は血行不良、すなわち血流の悪さによるものです。
下記の生活習慣はすべて「肩周りの血流障害を招く」という点で共通しています。

肩こりにつながる生活習慣

  • デスクワークなど長時間前かがみの姿勢でいる
  • 姿勢が悪い
  • 肩にかばんをかける
  • クーラーのきき過ぎなどによる冷え
  • ストレスやホルモンバランスの乱れ
  • パソコンやスマートフォン使用による眼精疲労
  • 運動不足

肩こりのメカニズム

肩、首周りの筋肉が疲労

首や肩周りには、僧帽筋、三角筋、肩甲挙筋など大小含めさまざまな筋肉があります。
これらの筋肉は、常に重い頭と腕を支えていているため疲労しやすい筋肉です。
その上、姿勢不良になるとさらに負荷がかかかり、肩周りの筋肉が緊張して疲労を起こします。

血管を圧迫、血行不良

筋肉には血流を促すポンプ作用があり、縮んだり緩んだりすることで血行を促進します。
筋疲労を起こしている筋肉はかたく縮まったまま固まってしまうため、ポンプ作用が働きません。
それどころか血管を圧迫して、血流を悪くしてしまいます。

筋肉が酸欠状態、疲労物質が蓄積

血流が悪くなると、乳酸などの疲労物質や老廃物がどんどん溜まっていきます。
肩こりのだるさや重さはこの疲労物質によるものです。
また、同時に新しい酸素も運ばれてこないため、筋肉は酸欠状態になります。

発痛物質を生成、痛みを認識

筋肉が酸欠になると、ブラジキニンやヒスタミンといった痛みを起こす物質がつくられ、神経を通って信号を送ります。
同時に痛みを感じやすくする物質、ブロスタグランジンがつくられ、信号を受け取ると肩こりの痛みとしてカラダに表れます。

ピラティスで解消する肩こり

ピラティスで脊柱と肩甲骨のアライメント(骨格)を整えると肩こりは解消します。
多くの肩こりは猫背やストレートネック、いかり肩といった上半身の姿勢の悪さからきています。
背中や肩が丸まり、頭が前に出る、これは脊柱と肩甲骨が正しい位置にないという事です。

頭はボーリングの球ほどの重さ?!

人の頭は体重の約1/10の重さがあります。つまり、50㎏の人で約5㎏。
アライメントが崩れて、頭が少し前に出るだけで重力の影響をもろに受け約3倍の負荷が肩や首にかかるのです。
首から15kgの重りをぶらさげていると思えば、肩周りが疲労して当然です。

ピラティスで意識しよう!肩こりに関係する筋肉

脊柱を支える筋肉

  • 脊柱起立筋(きょく筋、最長筋、腸肋筋)
  • 半きょく筋
  • 多裂筋

これらの筋肉は脊柱伸筋と呼ばれ、脊柱を引き伸ばし、猫背やストレートネックを改善します。
「スワン」「スイミング」「キャットストレッチ」などで強化できます。

肩甲骨を支える筋肉

  • 脊柱起立筋(きょく筋、最長筋、腸肋筋)
  • 半きょく筋
  • 多裂筋

これらの筋肉は肩甲骨下制筋と呼ばれ、肩甲骨を引き下げ、内側に寄せて、猫背やいかり肩を改善します。
また、腕を上げたときにも肩が上がらないように肩甲骨を正しい位置に引き下げます。
「レッグプル」「スワン」「シングルレッグキック」などで強化できます。

腰痛の解消

脊柱のS字カーブと柔軟性は、バネのように衝撃を和らげる働きがあります。
そのため、骨盤が傾き正常なカーブがなくなると、一部分の筋肉や関節にピンポイントに負荷がかかり腰痛を招きます。
現在腰痛で病院を訪れる方の8割は原因不明と言われていますが、そのほとんどはこうしたゆがみや姿勢が原因です。

ピラティスは骨盤、脊柱を正しい位置に整えながら椎骨をひとつひとつ動かす意識で脊柱の柔軟性を養います。
また、腹圧を強化してコルセットのように内臓を支える力をつけ、腰への負担を減らして腰痛を改善します。

姿勢改善

人は四足歩行から二足歩行となり、重力に反して上体を起こしてバランスをとっています。
そのため、姿勢を支える筋肉が常に働いており、これを抗重力筋と言います。
抗重力筋には相互作用があり上腕二頭筋と上腕三頭筋、大腿四頭筋とハムストリングのように対になっている筋肉が互いに逆の運動を行うことでカラダの動きを作り出しています。
対になっている筋力のバランスが保たれている事で、正しく骨格を維持でき負担なくスムーズに動くことができるのです。

日常生活や毎日の習慣の中、長時間同じ姿勢や反復動作が続くと一方の筋肉に筋疲労が起こり、常に収縮緊張した筋肉に引っ張られるかたちで、骨格まで歪んでしまいます。
緊張した筋肉を緩めて抗重力筋のバランスを整えることが、美しい姿勢の維持につながるのです。

ピラティスはニュートラルポジションと言う正しい骨格の意識から始まります。
ある一部分ではなく全体の筋力バランスが整うため、姿勢が良くなります。

ウェストの引き締め

お腹周りには骨がないため、内臓は筋肉で支えられています。
骨盤の傾きにより内側の腹筋(横隔膜、腹横筋、骨盤底筋)が緩むと腹圧が下がり、内臓を支えきれず、ぽっこりとお腹が出てしまうのです。

腹圧とは、お腹の中にある内臓が包まれている袋のようなもの(腹膜)の中にかかる圧力のことです。
腹圧が上がると風船が膨らむように腹膜が広がって隙間ができ、内臓は本来の位置でキープされます。

ピラティスは体幹深部の筋肉を起動させてすべての動作を行うため、腹圧が上昇し正しい位置で内臓を支えることができます。
腹圧は排便を促すため、便秘が解消し、また内臓が正しい位置に戻ることで圧迫されていた神経や血管も働きを取り戻し、代謝が上がってウエストが締まります。

ストレス解消

ストレスが体の不調や病気を招くことは化学的に証明されています。
ピラティスは意識的に深い呼吸を心がけ、呼吸と動作を連動させることでカラダの調和をはかります。
深い呼吸と共に体を動かすことで気分がリフッレッシュし、ストレス解消につながります。
呼吸により自律神経をコントロールして、交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズになると常に最高のコンディションを維持でき、日々のストレスも感じにくくなります。

身体能力の向上

加齢に伴い筋力は衰え身体能力は低下します。
特に高齢者の方は筋力に加え骨密度も低下するため、転倒による骨折が心配されます。

ピラティスはただ筋力をつけるだけでなく、内側から体幹を強化することで体の軸を作ります。
これにより動作の際も重心がぶれずに最大限の力を発揮できるようになるので身体能力が向上します。
ピラティスがスポーツやダンスに良いと言われているのもこのためです。

また、ピラティスは骨格からバランスを正してゆがみや変形を整えていきます。
骨格が整うと重力によるカラダの重みを筋肉や関節に無理な負担をかけずに支えられるため、機能的にカラダを動かすことが可能になります。
また関節は動かせる方向と角度が決まっているため、解剖学的に無理のない範囲で可動域を広げることでケガなく動作のパフォーマンス向上を図ることができます。

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